日本語
返回

文章

首页

A+ A A-

返回

お茶あれこれ(71)--冷たいお茶と涼茶

2015-06-01 10:03:52

お茶あれこれ(71)--冷たいお茶と涼茶

 夏が近づくに連れて、暮らしの番組やコラムで「夏は冷たいものを控えめに」などといった内容がよく取り上げられます。冷たいものを一年中飲んでいる日本人にとって、これは理解しにくいのではないでしょうか。冷たい飲み物を好む日本人と、暖かい飲み物が好きな中国人、食生活の一つを取っても、これだけ違うのです。

 冷たいものを避けるという食習慣はもちろん漢方医学に由来するものです。漢方医学は、陰と陽がバランスよく体に保たれる状態のことを健康状態とします。陰とされる冷たいものを摂り過ぎると、バランスが崩れて不健康な状態になりがちとされます。例えば、夏、本来ならば体は汗をかくことにより体内の湿気を外に出しますが、冷たいものを沢山飲んだり、クーラーをつけたりすると、湿気が外に出れなくなり、体内にこもってしまいます。そうすると、体がぐったりしてきて、胃の調子が悪くなったりするなど、病気になりやすくなるとされています。また、夏に問題がなくても、秋になってからその影響が出て、下痢や熱、呼吸器官の不調などといった症状がみられることも多いということです。

 そんなわけで、中国では古来からお茶は熱いうちに飲んでいました。むしろ冷めたら飲んではいけないといわれるほどでした。中国に以前来られた日本の方には、レストランでウーロン茶を頼んで熱いウーロン茶が出てきたという経験をされたことがある方もいらっしゃるのではないのでしょうか。中国では数年前まで、冷たいお茶は飲まれていなかったのです。ですが、西洋料理や日本料理が流行りだした数年前からは状況が大分変わりました。ペットボトルの冷たいお茶はごく一般的な飲み物になり、いろんな種類が出ていますし、冷たいウーロン茶を提供するお店も増えました。お茶を冷やして飲むなんて考えられないことでしたが、これも時代の流れなのでしょうか。

お茶あれこれ(71)--冷たいお茶と涼茶

 お茶は伝統的に熱いうちに飲むものとされている中国ですが、南方には「涼しいお茶」と書く涼茶があります。さて、名前だけ聞くと冷たい飲み物と思ってしまう「清涼なお茶」という意味のこの涼茶は、どんなものなのでしょうか。

 広東省やアモイ、広西チワン族自治区など南方の町には、至るところに涼茶を売る小さなお店があります。涼茶は冷たいお茶という意味ではなく、いろいろな薬草を煎じて作られる健康飲料のことです。やはり熱いうちに飲むのが一般的な飲み物で、お茶の葉っぱは全く入っていません。高温多湿の南方では、このような健康飲料は体の熱を取り除いてくれるという役割があるため、涼茶という名前になりました。

 涼茶のお店は一般的に非常に狭いものです。異なる効用の涼茶が入った大きな薬缶が大体10数種類並べられています。地元のお客さんはそれぞれの涼茶の効用をよく知っているので、名前で注文しますが、涼茶のことをよく分からなくても大丈夫です。風邪予防のもの、または喉が痛いので、、、など、自分の体の状態を伝えれば、店員はそれに適した涼茶を教えてくれるのです。南のほうへ行くと、私は必ずいろいろな涼茶を飲んでいました。しかし、中には苦くて薬みたいなものもあり、それを飲んだ時は辛く、全く楽しくはありませんでしたので、注文するときに、苦いですかと一言聞いたほうがいいかもしれません。

 さて、そんな南方で大人気の涼茶は果たして北京を含む北方でも受け入れられるのでしょうか。北京では涼茶を扱うお店を見つけるのも大変ですが、私がかつて住んでいた北京のマンションのすぐ横に数年前に涼茶のお店ができたことがあります。私は大変喜んで、そこを通る度に一杯買って飲んていたのですが、とても残念なことに、その涼茶のお店はお客さんが少ないため2、3年で閉店してしまいました。私は南の町に行って本来の涼茶に触れたことがあったので、常連になっていましたが、そうでない北方生まれの人々にとってはそんなに魅力的な点はないのでしょう。どれだけ良いものであっても、それが作り出された土地を離れると、新たな場所にはその場所にあったまた他の需要があり、受け入れられないことがあります。これはお茶に限ったことではありませんね。(王秀閣)